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家づくりブログ

家づくりコラム

2023/02/27

住宅ローン変動金利の特徴・リスクと2022年12月の金融緩和政策の修正による影響

こんにちは!

岐阜県で外壁タイルの家をご提案している名稲建設/クレバリーホーム可児店・東濃店です。

このコラムでは住宅ローン変動金利の特徴・リスクについて解説いたします。

住宅金融支援機構の調査では変動金利を利用する人の割合は7割超とされています。

変動金利は借入時の金利が低いという大きなメリットがある一方で、返済までに必要な支払額が変動的で返済計画を立てづらいというデメリットがあります。

場合によっては返済に無理が生じるほど金利が上昇してしまうことがあるので注意が必要です。

2022年12月に日銀が金融緩和政策を修正したことによる影響も解説するので、ぜひご覧になってください。

 

 

▶住宅ローン変動金利の特徴・リスク

まずは住宅ローン変動金利の特徴・リスクについて解説いたします。

変動金利とは、返済途中でも国の金融政策などによって適用される金利が変動するタイプです。一般的な金融機関では半年に1度、金利の見直しが行われます。金融機関によっては異なるルールを設けている場合もありますので確認してみてください。

 

【元利均等返済の場合】
5年ルール 
金利の見直しにより適用金利が上がったとしても、5年間は契約者の毎月の返済額は変わらない。(返済額の内訳 [元金と利息] が変わります)

◇125%ルール 
適用金利上昇により6年目にその時点の金利により毎月の返済額が見直される際、元の返済額の1.25倍を超えない。

 

2つのルールは急な返済負担の増加により契約者が困らないように定められているルールですがデメリットもあります。5年ごとの返済額見直し時には、125%ルールといわれる返済額の増加に上限を設ける制度があるので、返済額の増加はそれまでの返済額の25%アップが上限となります。

例えば、毎月8万円の返済額の人なら、6年目以降の返済額は、毎月10万円が上限となります。したがって、ローン残高に応じた利息部分の金額が10万円を超えてしまうと、6年目以降になっても未払利息の発生が止まらなくなり、未払利息が貯まり続けることになります。

未払利息の精算の方法は、金融機関によって異なります。変動金利元利均等返済の返済プランでは、こうした点にも注意が必要です。

 

ただし、元金均等返済の変動金利商品や元利均等方式でも一部金融機関では、「5年ルール」や「125%ルール」がなく、適用金利が上がればその時点で返済額がアップするタイプの変動金利を扱っているところもあります。

この場合、適用金利が変わるタイミングで返済額も変わります。変動金利であってもどちらのタイプかを理解しておきましょう。

変動金利は短期プライムレートと連動して決まります。

短期プレイムレートとは、銀行が最優良企業(業績が良く信頼性の高い企業)に融資する際の最優遇貸出金利のうち、1年未満の短期融資の金利です。短期プレイムレート自体は企業間の取引に適用される金利ですが、短期プレイムレートに連動して住宅ローン変動金利も変動します。

 

この短期プライムレートは、金融機関同士がおカネを貸し借りする時の「市中金利(無担保コールレート翌日物)」に連動し、この市中金利をコントロールしているのが日本銀行の「政策金利」なのです。

景気の安定を至上命題とする日銀、景気が良くなれば日銀は「政策金利」を上げるように動き、景気が悪くなれば下げようとします。つまり、住宅ローンの変動金利は、「景気の良し悪しの実態」に影響されます。

2022年12月に、日本銀行は長期金利に関する方針を変更しましたが、短期金利に関しては方針を変更していません。

 

なお、短期プライムレートは2009年頃から一定のままです。しかし、今後、もし日本銀行が短期金利に関して政策金利を変更した場合には変動金利型の住宅ローン金利にも影響することになります。

変動金利は金利をウオッチしていないと、その特徴から金利の上昇に気づきにくく、気づいた時には固定金利への借り換えができないほど固定金利が上昇している可能性もあります。

 

変動金利を利用する人は、特徴やリスクもしっかり理解した上で、金利が上がったらどう行動するのかの戦略も持ったうえで利用してほしいと思います。

 

三菱UFJ銀行住宅ローン商品説明書 jl_setsumei_02.pdf (mufg.jp)

変動金利住宅ローンの未払利息とは? | D.お金を借りる | 一般社団法人 全国銀行協会 (zenginkyo.or.jp)

 

 

 

▶住宅ローン変動金利のメリット・デメリット

【メリット】
住宅ローン変動金利のメリットは以下のとおりです。

他の金利タイプに比べて金利が低い
返済中に金利が下がると利息の支払いが減る

 

【デメリット】
住宅ローン変動金利のデメリットは以下のとおりです。

 

金利変動により返済総額が変化し、返済計画を立てづらい
返済中に金利が上がると利息の支払いが増える
利息の支払いが大きく増えると、元金の返済が遅くなるおそれがあるほか、住宅ローン終了時に未払利息が残るおそれがある

 

 

 

▶住宅ローン変動金利に向いている方・向いていない方

【向いている方】
住宅ローン変動金利に向いている方の特徴は以下のとおりです。

借入当初の返済額を抑えたい人
短期での返済を考えている人
将来の返済額増加に耐えられる資金力のある人

 

【向いていない方】
住宅ローン変動金利に向いていない方の特徴は以下のとおりです。

月々の返済額に余裕がない人
長期での返済を考えている人
変動する金利の動向を確認するのが面倒な人

 

 

 

▶2022年12月の日銀の金融緩和政策の修正による影響

日銀は2022年12月の金融政策決定会合で金融政策を修正しました。最大の変更点は長期金利の変動幅の上限を引き上げるという内容です。短期金利に関する修正は含まれていないため、変動金利には直接の影響はありません。

 

また、ネット銀行の参入により金融機関の金利競争が激化している現状において、変動金利がすぐに上昇する可能性は低いと考えられています。

修正発表後の2023年1月も変動金利を引き上げた銀行はありませんでした。

 

一方、長期金利に連動する固定金利は、ネット銀行含めて多くの金融機関が10年固定金利、全期間固定金利の基準金利を引き上げました。

ただし、市場への悪影響の懸念が続き、日銀の金融緩和政策の修正の影響が短期金利にまで及ぶと変動金利も上昇します。

 

変動金利でローンを組んでいるご家庭にも遅れて負担がのしかかることとなり、そのときに固定金利に借り換えようとしても既に固定金利は大きく上昇している可能性が高いです。

日銀の金融緩和政策の修正が続くような場合は、状況を注意深く見据え、返済計画に無理が生じないように繰り上げ返済や固定金利への借り換えを検討する必要があります。

 

12.24日経新聞記事マネーのまなび

日銀、金融緩和政策を修正: 日本経済新聞 (nikkei.com)

 

 

▶まとめ

住宅ローン変動金利は借入時の金利が低いという大きなメリットがある一方で、金利上昇によるリスクが大きいことが特徴です。急激な金利上昇が続いた場合、5年ルールや125%ルールの影響により、ローン終了時に未払利息の一括払いが必要となるケースもあります。

金利は複雑な経済メカニズムから決まるので、住宅ローンを組む場合はファイナンシャルプランナーなどの専門家と返済シミュレーションを行うことで安心感が高まります。

 

2022年12月の日銀の金融緩和政策の修正は変動金利に直接影響しませんが、金利が上昇に転じていくリスクはあります。金利上昇に備えて貯蓄や資産運用で手元資金をつくっておくことが大切です。

 

 

 

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