MENU
MENU

家づくりブログ

家づくりコラム

2023/03/22

金利上昇リスクの緩和!「ミックス型」住宅ローン

こんにちは!岐阜県で外壁タイルの家をご提案しているクレバリーホーム可児店・東濃店です!

 住宅ローン金利への注目度が高まっています。

 

昨年末に日銀が金融政策を修正したことをきっかけに、将来の金利上昇を意識する人が増えたためであり、最近は金利の上昇に備え「ミックス型」の住宅ローン(以後、ミックス型といいます)を利用する人が増えています。

ミックス型とは、1 人の契約者が複数の異なる金利タイプの住宅ローンを組む形で、基本は固定金利型と変動金利型の組み合わせで、それぞれの金額は借り手が決められるものです。

今回は、ミックス型とはどんな住宅ローンなのか?ミックス型を利用し、金利が上昇すると、どの程度返済額が変わるのか?その他メリット・デメリットについて解説します。

 

 

ミックス型とは

ミックス型とは、1 人の人が異なる金利タイプを組み合わせて借り入れする住宅ローンのことをいいます。

 

例えば、3,000 万円の住宅ローンを借り入れする場合、2,000 万円を固定金利型、1,000 万円を変動金利型というように、異なる金利タイプを組み合わせることが可能です。

 

金融機関によっては、2,000 万円は返済期間 30 年、1,000 万円は返済期間10 年というように、返済期間をミックスすることが出来る商品もあります。

 

そもそも住宅ローンは、できるだけ金利を安くしたいと誰もが考えます。そういう意味では金利の低い変動金利の住宅ローン 1 本で借りたいところですが、変動金利は「いつ金利が上昇するかわからない」というリスクを抱えることになり、金利が上昇すれば、返済額も増加することになります。

 

一方、固定金利は金利が一定なので「上昇するかもしれない」という不安を抱かないで済みますが、当然ながら金利は高めになります。ミックス型は、このようにどちらがいいか悩んでいる人向けの商品です。

 

 

それでは、ミックス型を利用した場合、金利が上がるとどの程度返済額が変わるのでしょうか。

 

合計 4,000 万円を期間 35 年で借りた例でみてみます。足元の金利を参考に全期間固定金利型の金利は年 1.445%、変動金利型は当初年 0.47%とし、全期間固定金利型と変動金利型、ミックス型で比較しました。いずれも元利均等返済で、ミックス型は固定金利型と変動金利型を 2,000 万円ずつとしました。

 

全期間固定金利型・変動金利型・ミックス型の比較(4,000万円 35年元利均等返済)
※変動金利型の金利が上昇し、6年目以降、年1.5%金利が上がったとして住宅ローンアドバイザー淡河範明氏が試算

金利タイプ借入額
(万円)
金利毎月返済額
(万円)
返済総額
(万円)
6年目以降年1.5%金利上昇
金利毎月返済額
(万円)
返済総額
(万円)
①全期間固定金利型4,0001.445%12.15,1001.445%12.1 5,100
②変動金利型4,0000.470%10.34,3001.970%12.8 5,200
全期間固定金利型と
変動金利型の比較
②-①
  △ 1.8△ 800 0.7 100
③ミックス型固定型2,0001.445%11.24,7001.445%12.5 5,160
変動型2,0000.470%1.970%
全期間固定金利型と
ミックス型の比較
③-①
  △ 0.9△ 400 0.460
変動金利型と
ミックス型の比較
③-②
  0.9400 △ 0.3△ 40

(1.5%は大手銀行の変動型の基準金利が過去40年の平均を少し上回る水準となる上昇幅)

 

 

金利が上昇するとどうなるか?

 

仮に変動金利型の金利が上昇し、6 年目以降、年 1.5%金利が上がったとして試算しました。金利上昇後の変動金利型は適用金利が年 1.97%となり毎月返済額は約12.8 万円と、固定金利型を約 7,000 円上回ります。その後金利が変わらなければ変動金利型の返済総額は約 5,200 万円と、固定金利型を約 100 万円上回ることになります。

ミックス型なら毎月返済額は 12.5 万円、返済総額は約 5,160 万円と、全額を変動金利型にするより影響を抑えられます。借入額がより多かったり、金利の上昇が続いたりすれば、変動金利型の返済総額はさらに膨らむことになります。

 

「すべて固定金利」と「すべて変動金利」のちょうど中間の金額になり、金利上昇のリスクをある程度、緩和できるということになります。「総支払額を少なくしたい」という要望と、「変動金利の上昇リスクを取りたくない」という要望を同時に満たすことはできないことになりますが、ミックス型であれば、金利が上昇しても金利が上昇しなくても、それぞれの要望をある程度、満たせるということがわかります。

 

変動金利と固定金利で迷っている人には、ミドルリスク、ミドルリターンとも言える、ミックス型が丁度いいことになります。

 

 

 

 

ミックス型のメリット・デメリット

【メリット】

金利タイプや借入額などを自由に組み合わせることで、金利変動リスクの軽減を図ることができます。もしも契約後に金利が上昇すれば、固定金利型が有利になり、金利が下降すれば変動金利型が有利になります。

 

例えば、固定金利型と変動金利型を半々にしておくことで、金利上昇時には、変動金利型だけのローンと比べて、金利上昇リスクを半分に抑えることができ、金利下降時には、変動金利型ローンの割合だけ低金利による恩恵を享受することができます。

また、例えば返済期間をミックスすることで、返済期間の短い方の支払いが終われば、その後の返済額が少なくなります。教育費など、将来の大きな支出に備えるのは、ミックス型の有効な使い方の一つといえます。

 

ローン返済中の選択肢もあり、金利が上昇し始めた場合に、変動金利型を先に繰上返済すれば利息負担の増加を抑えられます。反対に金利上昇が当面ないとみれば、金利が高い固定金利型から繰上返済する考え方もあります。

 

どちらを繰上返済するかは自由に選ぶことができます。

 

 

 

【デメリット】

諸経費が増えます。ミックス型を利用するということは、2 つの住宅ローンの契約をすることになります。そのため、契約書は 2 通となり、印紙代や手数料などの諸経費も 2 倍になるのが一般的です(金融機関によっては1 契約ですむ場合もあります)。

リスク分散できる反面、利益が分散。ミックス型は、金利タイプや返済期間などを組み合わせて、リスクを分散させる返済方法のため、金利上昇リスクを軽減しながら、低金利時の恩恵も受けることができます。

一方で、固定金利と変動金利それぞれのメリットを最大限に活かすことはできません。ミックス型は、ミドルリスク・ミドルリターンの住宅ローンに位置付けられ、大きな損をしないための商品であることを理解した上で利用しましょう。

 

 

 

まとめ

先々の金利を正確に予想できない以上、金利水準が変わらなければ金利上昇リスクがない固定金利を選択したいというのが本音だと思います。しかし、実際に住宅ローン金利の条件を見ると、固定金利は変動金利の 2倍以上の利率に設定されている場合もあり、最終的には変動金利を選ぶ方が多いというのが実情です。

 

「利率だけ見たら変動金利を選びたいところだけど、金利上昇の可能性が怖い」という方は、金利上昇時に支払額がどれだけ増加するのかをシミュレーションしておくと安心です。それでも迷う時は今回紹介しました変動金利と固定金利を組み合わせるミックス型も有効な対策となります。

 

なお、金融機関によってはミックス型に対応していない場合もあります。更には、対応している場合においても、運用方法は異なりますので、ご希望の金融機関に必ずご確認ください。

 

住宅ローン「ミックス」の選択 – 日本経済新聞 (nikkei.com)

 

 

 

ページの先頭へ戻る

ページの先頭へ戻る